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中国9業界における特許の蓄積に差 国内外の企業に明らかな差2011年01月05日

 先日、中国工業及び情報化部(以下、「工業情報化部」という)が電子情報、設備製造、軽工業、石油化学、鉄鋼、自動車、紡績、船舶、非鉄金属の工業9業界の特許動向を発表した。レポートによると、それぞれの産業の特許の蓄積状況には明らかな差があるという。2010年6月30日の時点で、上記の工業9業界のうち、電子情報産業の特許の蓄積が最も豊富であり、特許出願総件数111.8万件でトップに立ち、設備製造業、軽工業がそれぞれ約95万件、56万件でその後に続く。それぞれの産業が発明創造に対する発展の依存性には大きな差があることが示され、同時に、各産業の技術の更新のテンポが異なることも反映されている。

 2010年6月30日の時点では、工業9業界のうち、電子情報、設備製造、軽工業及び石油化学を除き、他の産業の特許出願総件数はいずれも10万件に満たず、船舶業の特許出願が9,000件余りであり、非鉄金属はわずか2,000件強である。中国国内の各業界における特許出願総件数はいずれも外国を超えており、件数の優位性は明らかであるが、各業界の発明特許出願件数から見ると、中国国内の自動車分野における発明特許出願件数は外国よりも少ない。自動車を除く他の分野では、中国国内の発明特許出願の件数はいずれも外国よりも多いが、発明特許の優位性は特許出願総件数の優位性ほどには及ばない。

 2009から中国の電子情報技術分野の特許の蓄積はさらに強化されており、特に技術の実用性が高い発明特許出願の向上が著しい。レポートによると、110万件余りの情報技術特許出願のうち、発明特許の出願件数が半分を超えており、実用新案特許の出願件数が3分の1近くであり、2009年9月30日時点の統計の特許出願総件数より13.3万件余り増加しており、このうち、発明特許出願が8.7万件増加し、実用新案特許出願が4.6万件増加した。しかし、イノベーションの主体として、中国国内の企業は、中興(ZTE)、華為(ファーウェイ)を除き、多国籍企業との特許出願件数に大きな差がある。

 このレポートでは、電子情報分野の特許出願総件数が上位10社の国内企業と、中国に特許出願をする多国籍企業と比較した。出願件数が最も多い国内企業の華為、中興2社の出願総件数はそれぞれ2.7万件、1.9万件である。比亜迪(BYD)は3位であるが、出願件数は4,700件余りしかない。サムスン、LG、パナソニック等を含む上位10社の多国籍企業の出願総件数はいずれも1万件を超えているが、上位10社の国内企業は、華為、中興を除き、他の企業の出願件数はいずれも5,000件を下回っている。

 また、中国の電子情報技術分野における多国籍企業の特許ポートフォリオ形成はより一層速い。情報技術分野の中国特許出願件数が最も多い多国籍企業20社のうち11社が、中国特許出願件数において前年の統計データと比べて平均5%以上増加している。なお、富士通の特許出願件数は50%超の増加である。クアルコムは20%近く増加し、マイクロソフトは12.4%増加している。また、ソニー、エリクソン、ノキア、日立の成長率がいずれも7.5%を超えている。

 「知的財産権制度は、産業の独自イノベーション力を強化し、科学技術資源を効果的に配置し、イノベーション成果の産業化を促進し、産業全体の競争力を引き上げることに対して重要な役割を持っている。」特許動向の発表において、工業情報化部の奚国華副部長は次のように述べた。ポスト金融危機において、産業構造の調整と合理化を推進するため、工業情報化部は、知的財産権保護特別キャンペーンを重点とし、業界知的財産権戦略の年次推進計画と特別キャンペーンとを緊密に結び付けて、業界の知的財産権保護業務を全面的に推進していく。同時に、製造業の改造・向上、戦略的新興産業の発展・育成における知的財産権制度の役割を積極的に果たし、知的財産権と技術基準改訂業務との相互作用を促進し、業界の知的財産権の早期警戒メカニズムをできるだけ早く確立し、産業の発展に大きな影響を与える知的財産権問題の研究を強化していく。


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