最新情報詳細
- 特許などの年間審決件数が初めて1万件の大台を超え、審査の基準をそろえる2011年02月07日
-
中国国家知的財産権局特許複審委員会(以下、特許複審委員会という)にとって2010年は特別な年であった。
元のニュース「国家知識産権局」(中文サイト)へ
この年、特許複審委員会は成立25周年を迎えた。25年の発展と変遷を通じて、中国の特許拒絶査定不服審判制度、特許無効審判制度は次第に整備され、特許複審委員会の審査総合力は著しく向上した。
この年、特許複審委員会の特許拒絶査定不服審判事件及び特許無効審判事件の年間の審決件数が初めて1万件の大台を超えた。国家知的財産権局特許局審査業務管理部は2010年初めに決めた「基準案件の8,870件を終了する」という審査任務を超過達成した。
「中国の特許出願件数の急増に伴い、拒絶査定不服審判事件及び無効審判事件の受理件数もいくらか増加した。それによって、審査の作業量が明らかに増えたが、審査の質及び効率に影響することはなく、特許複審委員会の審査の質及び効率は安定的な中にも向上が見られ、審査の基準も次第にそろってきた。」と特許複審委員会の楊光副主任は述べた。
審決件数が初めて1万件の大台を超える
統計によると、2010年、特許複審委員会が審査を終結した事件は一般のもの10,492件であり、基準のもの10,551件に相当する。なお、拒絶査定不服審判事件が8,546件であり、無効審判事件が1,946件である。中国の特許拒絶査定不服審判事件及び特許無効審判事件の年間審決件数が初めて1万件の大台を超え、目標を19%超過して達成し、2009年の実際の審決件数より18.5%増加した。
ここ数年、中国の特許無効審判事件の件数は安定的であり、毎年基本的に2,200件前後であるが、特許拒絶査定不服審判事件の件数は特許出願の大幅な増加に伴って増加している。2005年〜2007年に特許複審委員会が受理した特許拒絶査定不服審判事件は毎年約3,000件前後あり、2008年は4,364件に増え、2009年は9,195件に急増したと楊光副主任は説明した。2010年に特許複審委員会が受理した拒絶査定不服審判事件は12,369件であり、無効審判事件は2,411件である。前年同期に比べて、拒絶査定不服審判事件は33.48%増加しており、無効審判事件受理件数は前年より6.8%増加している。受理件数は前年より28.2%増加の14,780件に達している。
審査の質及び効率は安定的な中にも向上が見られる
特許拒絶査定不服審判手続及び特許無効審判手続は、中国の特許制度の良好な運営に不可欠な手続であり、特許出願件数の急増は必然的に拒絶査定不服審判事件の件数増加を招き、先進国も同様の道をたどっている。「でも、中国の特許審査の質及び効率は安定的な中にも向上が見られ、特許拒絶査定不服審判事件及び特許無効審判事件の受理件数の増加によって低下してはいない」。2010年、特許複審委員会の審査周期が次第に短縮されて、拒絶査定不服審判事件の平均の事件終了周期は月ごとに減少し、14カ月以内に抑えられて、無効審判事件の事件終了周期も7カ月以内に抑えられているという。
新たなチャレンジに直面する専利複審委員会では、『審判基準』の整備や審査部門との交流強化などの業務総合力を向上させる対策を講じるとともに、手続きの改善などにより効率を高め、無効審判周期をさらに短縮させる方針にしている。
総合的な審査能力のさらなる向上
2011年、中国の特許拒絶査定不服審判事件の件数は特許出願件数の増加と共に増加し、増加率は20%〜30%の見込みと予測される。また、特許無効審判事件の件数も引き続き増加し、増加率は5%前後になると予測される。この2種類の事件の大幅な増加は、特許複審委員会の審査業務にとって新たな挑戦となるに違いない。
これに対して、楊光氏は、2011年、特許複審委員会はいくつかの措施を講じて、審査の総合力をさらに引き上げていくと述べた。例えば、審査の基準検討に力を入れ、一部の分野で審査基準の判例解釈体制を基本的に確立することを模索し、かつ審査基準などの内容交流を強化すること、審査工程では前の部門との情報交換及び事件検討を強化することによって、統一的な審査基準の確立、各審査部門間の交流の土台の構築を推進する。また、特許複審委員会は自身の作業効率の向上と無効審判手続の合理化の2つの点から着手し、無効審判事件の審査周期を短縮していくという。
それだけでなく、特許複審委員会は引き続き外部との協力を強化し、積極的に無効審判手続と侵害手続のリンクメカニズムを模索していく。例えば、地方の知的財産権管理部門と協力提携して、該当する当事者の無効審判請求事件及び侵害紛争事件について、同日に同じ場所でそれぞれに口頭審理を行うこと、全国の特許代理人の拒絶査定不服審判、無効審判の上級代理業務教室を行うこと等である。また、特許複審委員会はさらに地方の法院、知的財産権管理部門及び他の関連部門、並びに代理機構とのコミュニケーションと交流を強化し、常態化、制度化された審査基準フィードバック制度の確立を模索していく。