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米関連部門が中国の知的財産権侵害実態を調査開始2011年06月03日

 知的財産権問題はすでに中米両国の交渉のテーブルに留まる問題ではなくなり、米国関連部門は近頃中国の知的財産権の権利侵害の実態に対して調査を実施し、知的財産権問題を中米間の貿易不均衡の新たな口実にする上で、更にその矛先を中国の新興産業に直接向けている。

 中国商務部の関連サイトの報道によると、米国際貿易委員会(USITC)はこのほど、中国に進出する米国企業の知的財産権侵害実態に関する調査結果をまとめた「中国における知的財産権侵害状況及び中国イノベーション推進政策に関する報告書(2011年5月)」を発表した。報告書によれば、調査は中国に進出する知識集約型米企業5,051社(米国経済総量の16.3%を占める)を対象に実施したという。

 2009年、これら企業は中国の知財侵害による損失が482億ドルだったと報告した。またデータ解析やシミュレーション分析によると、もし中国が知財保護を強化すれば、米国の対中輸出額が1,070億ドル増加し、約92.3万人の国内雇用を創出できる見込みがあるという。

 注目すべきことは、同報告書で中国の国内イノベーション政策が重点調査対象とされている点である。報告書では風力エネルギー、通信設備(携帯電話)、ソフトウェア、自動車、民間航空機及びその部品など、中国の新興産業における案件を詳しく分析している。調査を受けた米国企業の多くは「2009年に中国のイノベーション政策で実質的な損失を受けた」と回答した。USITCは報告書の中で、「過去30年にわたる中国の高度発展は米国企業にチャンスとチャレンジを与えた。中国での知財侵害とイノベーション促進策は中国における米国企業の競争地位を引き下げた」との見方を示した。

 知財問題は一貫して中米貿易関係における重点問題となっているが、ここ数年で両国間の衝突がさらにエスカレートしている。「337調査」を受けた中国企業は年々増加している。2006年から2010年までに中国企業を対象として行われた同調査は56件に上り、その前の20年の合計を超えた。2010年は米国が行った同調査56件のうち、中国企業を対象にした案件がその3割近くの18件で最も多かった。


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