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中国の科学者、超強靭な「人工蜘蛛の糸」を開発2019年11月26日

 南開大学薬物化学生物学国家重点実験室、薬学院、機能高分子教育部(省)重点実験室の劉遵峰教授のチームはハイドロゲル繊維を使い、新型の超強靭な「人工蜘蛛の糸」を開発した。強度が高く、ゆっくり跳ね返り、何度も伸縮できる。将来的に高空スロー降下などの多くの分野で使用される可能性がある。この成果を紹介した論文がこのほど、国際的な学術誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」に掲載された。

 自然界における蜘蛛の糸は高い機械的性質を持つ。引張強度が極めて高く、高等級の特殊鋼に相当する。高湿度の環境では5倍に伸び、そして伸ばした後にほとんど跳ね返らず、ねじれもしない。引っ張って長くなった蜘蛛の糸は水に濡れると元の長さに戻る。そのため獲物がぶつかり長くなった後も自動的に修復し、再利用可能になる。蜘蛛の糸が高い機械的性質の組合せを持つことが分かる。

 劉氏は「すでに蚕のタンパク質を使った人工蜘蛛の糸が作られており、一定の成功を収めている。しかしこの方法は大規模な拡大が困難だ。合成方法を利用し、蜘蛛の糸の上述した特性を模倣することが、依然として難題となっている」と述べた。

 劉氏のチームは試験を繰り返し、非常にシンプルな方法を採用し、ハイドロゲル繊維によって人工蜘蛛の糸を作った。劉氏によると、ハイドロゲル繊維はポリアクリル酸で作られる。ポリアクリル酸には核―鞘構造があり、二価イオンを混ぜ加撚することで一定のねじり強度を持ち、その強度を大幅に高めることができる。この新材料は天然の蜘蛛の糸にほぼ相当する力学的性質を持つ。

 この新材料の開発により、次のことを大胆に想像できるようになった。高層ビルで火災などの緊急事態が発生した場合、人々は人工蜘蛛の糸で作ったロープを使い、降下し救助を行うことができる。この特殊なロープは人の重さに耐え、ゆっくりと伸び、そしてゴムのように跳ね返ることもない。人もしくは物体の降下の速度を大幅に下げ、衝撃を吸収する役割を果たす。    


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