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中国の科学者が100km級高精度時間・周波数転送を実現2022年10月11日

 中国科学院によると、中国の科学研究チームがこのほど世界で初めて100キロメートル級の自由空間における高精度の時間・周波数転送実験を行なったところ、時間転送の安定度がフェムト秒レベルに達し、周波数転送の安定度が4E-19(時計による誤差が約1千億年で1秒以下)を上回り、現在の最高精度の光学時計の時間転送の要求に応えることが可能になったという。

 この研究は中国科学技術大学の潘建偉院士のチームと複数の協力機関が共同で完成させたもので、関連の成果は5日に国際学術誌「ネイチャー」オンライン版で発表される。

 ここ数年、光学時計の安定度はE-19レベルに達し、次世代の時間・周波数標準(光周波数標準)を形成し、精度の高いナビゲーション・ポジショニング、グローバルな時報、広域の量子通信、物理学の基本原理のテストなどの分野で重要な役割を発揮できる。

 今回発表される成果の第一著者である中国科学技術大学の沈奇副研究員は、「正確な計時はハイレベルな実験室に限ったことではなく、『普通の人々の家にも飛び込んでくる』ものだ。高精度の時間・周波数転送を通じて、広域光周波数標準を構築することは、光学時計が今述べたような多くの分野で役割を発揮するための前提だ。光学時計の精度に匹敵する時間転送技術があれば、正確な時間を転送できる」と述べた。

 自由空間における高精度の時間・周波数転送はグローバル広域光周波数標準ネットワーク構築の重要なコンテンツだが、これまで世界の関連の研究成果にはSN比(信号と雑音の比)が低い、転送距離が短いといった問題があり、衛星・地球のリンクでの高精度時間・周波数転送のニーズに応えることができなかった。


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