China知的財産ポータルサイト

最新情報詳細

中国の科学者、二酸化炭素から糖への全合成を実現2023年08月22日

 学術誌「科学通報」が15日に掲載した最新の研究成果によると、中国の研究者が実験室内で二酸化炭素から糖への全合成に成功し、糖の人工合成に向けた重要な一歩を踏み出した。

 中国科学院天津工業生物技術研究所と大連化学物理研究所のチームは、2年以上の研究開発を経て、今回の研究成果を上げた。論文筆頭著者の楊建剛氏は、「チームは高濃度二酸化炭素などの原料を反応溶液内で一定の割合で調合し、化学触媒と酵素触媒の作用によりブドウ糖、アルロース、タガトース、マンノースという4種のヘキソースを得た。ヘキソースは自然界に広く存在し、有機体の栄養素代謝と最も密接な関係にある糖の総称だ」と説明した。

 実験全体の反応時間は約17時間で、サトウキビなどの農作物を栽培して糖分を抽出する従来の方法と比べると、糖の取得時間は「年」単位から「時間」単位へと飛躍的進展を遂げた。

 今回の糖の合成効率は1リットル・1時間当たり0.67グラムで、既知の成果の10倍以上に向上した。ブドウ糖の炭素固定合成効率は触媒1ミリグラム・1分当たり59.8ナノモル(nmol)で、中国内外ですでに知られている糖の人工合成の最高水準となっている。

 楊氏は「研究ではさらに、糖の人工合成の正確な制御を実現した。酵素によって異なる触媒効果の制御により、理論的にはほぼすべてのタイプの糖の合成が可能だ」と述べた。


元のニュース「新華網」(中文サイト)へ