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「立体バス」、北京で初車両の製造に取りかかる2010年8月27日

 映画でしか見られない車が空中で「飛行する」場面はまもなく北京市で現実になる。

 京華時報によると、2階部分に客が乗り、1階部分は空洞となっていて車が通過できる「立体バス」プロジェクトは現在、製造に向けたプロセスに入った。同バスのフィージビリティスタディ報告書が南車集団に提出され、同集団が初車両の設計と製造を行っていく。この立体バスは、少し前に専門機関による安全審査に合格しており、来年末には北京市門頭溝区で運行を開始する予定。

 ゼロエミッションを実現したこの「立体バス」は、中国が自主開発した世界唯一の製品である。レールなどを含めて1キロあたりの製造コストは約5,000万元で、地下鉄のコスト(1キロあたり5〜8億元)と比べると約10分の1となっている。また、1年間に40キロを建造でき、同じ長さの地下鉄を建造するには3年間かかる。運行速度は時速60〜80キロで、一般のバスよりも速い。

 発明者の宋有洲氏によると、この「立体バス」は4つ箱にわけ、1段あたりの長さは10メートルとなり、運行する時間帯や乗客数に合わせて、車両箱の数も調整可能である。底盤の高さは2.2メートルで、2階部分を含めて総高さ4.4〜4.5メートルとなり、幅は二車線幅に相当する。全部で1,000人あまりを収容可能であるという。

 線路沿線には、充電システムを設け、運行中でも車両と接触しているだけで充電できるようにする。また、その下は乗用車など通過できるため、駐車場を設ける必要もなく、ステーションに駐車可能のメリットもある。

 北京市門頭溝区科学委員会の張文波主任は、「現在の進度から見ると、初車両の設計・製造が始まった後、3カ月でプロトタイプが完成する。今年末には門頭溝区でレールの建設が開始され、来年7月には初車両の試運転が行われる。さらに3カ月ほどの試運転を行った後、メーカーと設計者が運行データの分析を行い、車体やシステムの改良を行う。来年末には改良後の初車両が運行を開始する」と述べる。

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